Axie Infinityとは?2026年9月の現状と始め方を解説
「Axie Infinity」は、NFTゲームを紹介する記事にほぼ必ず登場する名前です。ただし多くの解説は2021年の大流行と、その後の価格下落までしか触れていません。この記事ではモンスターを育てて戦わせるゲームとしての基本的な仕組みに加え、2026年1月のトークン設計変更と、2026年9月16日に期限を迎えたウォレット移行という直近の運営状況まで、公式情報を確認したうえで整理します。
公式サポートページや報道の一次情報を確認しながら、NFTゲームの現状を整理しています。特定のトークンやNFTの購入は勧めません。
Axie Infinityとはどんなゲームか
Axie Infinityとは、Axie(アクシー)と呼ばれるモンスター型のNFTキャラクターを購入または繁殖(ブリード)で入手し、育成して対戦させる、Play to Earn(遊んで稼ぐ)型のNFTゲームです。開発・運営はベトナムのSky Mavis社で、同社が構築したブロックチェーン「Ronin」上でゲーム内の取引が処理されます。プレイヤーはアドベンチャーモードやアリーナモードでAxie同士を戦わせ、ゲーム内通貨を獲得する仕組みになっています。
AXSとSLP、役割が異なる2つの通貨
ゲーム内で扱われる仮想通貨は主に2種類あります。AXS(Axie Infinity Shards)はゲームのガバナンス(運営方針への投票権)を持つトークンで、ステーキングの対象にもなります。一方のSLP(Smooth Love Potion)は、Axieの繁殖や特定の行動で獲得できるゲーム内通貨です。どちらも暗号資産交換業者で日本円などに交換できますが、役割が異なる点はまず押さえておく必要があります。
対戦・育成・繁殖という3つの要素
ゲームの中心は、Axieを育てて戦わせ、さらに2体のAxieを掛け合わせて新しいAxieを生み出す「ブリード」という3つの要素です。育成したAxieはNFTとしてマーケットプレイスで売買もできます。この仕組みが2021年に大きな注目を集め、フィリピンなど東南アジアを中心に、収入の足しにする目的でプレイする人が急増した経緯があります。
AxieはNFTなので個体ごとに能力が異なります。育成・売買・対戦という複数の要素が絡むため、始める前に用語を1つずつ理解しておくと迷いにくくなります。
2026年9月時点の運営状況(bAXS導入とウォレット移行)
Axie Infinityは2026年9月時点でもシーズン制のサービスとして運営が続いています。ただし2021年当時と同じ仕組みではありません。2026年1月にはトークンの設計そのものを変える発表があり、9月16日にはウォレット基盤の移行期限を迎えました。この記事の執筆時点(2026年9月21日)で確認できている範囲を整理します。
1月にbAXSという新トークンが導入された
Sky Mavisは2026年1月、AXSと1対1で裏付けられるものの譲渡はできない新トークン「bAXS(Bonded AXS)」を導入すると発表しました。1月21日開始のシーズンから、プレイヤーへの報酬は原則としてAXSではなくbAXSで配布される仕組みに変わっています。新規トークンの市場への供給量を抑える狙いがあるとされ、2021年のピーク以降で最も大きなトークン設計の変更と報じられました。
9月16日にRonin WaypointがStashへ移行
あわせてSky Mavisは、これまでのウォレット基盤「Ronin Waypoint」を、メールアドレスやソーシャルログインで作成できる新しいキーレスウォレット「Ronin Stash」へ切り替えました。移行期限は2026年9月16日と告知され、期限直前にはバッジやbAXSを引き継ぐための移行ツールが追加で提供されています。以前のアカウントでプレイを再開する場合は、まずウォレットの状態を公式サポートページで確認することをおすすめします。
- 自分のアカウントがRonin WaypointかRonin Stashかを公式サポートページで確認する
- 保有していたバッジやbAXSが正しく移行されているかを確認する
以前プレイしていて放置していたアカウントがある場合は、資産の移行状況を公式サポート(support.axieinfinity.com)で個別に確認してください。移行の要否や対応方法は、保有していた資産の種類によって異なります。
| 項目 | 2021年頃 | 2026年9月時点 |
|---|---|---|
| 主な報酬トークン | AXS(譲渡可能) | bAXS(譲渡不可、条件付きでAXSへ) |
| ウォレット基盤 | Ronin Wallet/Waypoint | Ronin Stash(キーレス) |
| 主な話題 | 新規参入者の急増 | トークン設計とウォレット基盤の刷新 |
Axie Infinity Originの始め方とスマホ対応
現在新規プレイヤー向けに案内されているのは、無料で始められる「Axie Infinity: Origins」です。全プレイヤーに非NFTのスターターAxie3体が提供されるため、購入なしでゲームの流れを試せます。稼ぐことを目的にNFTのAxieを購入・育成する場合は別途費用がかかりますが、まず無料の範囲で仕組みを理解してから判断する進め方ができます。
無料のスターターAxieから始められる
Origin版をダウンロードすると、購入不要の非NFTスターターAxie3体が用意され、対戦やアドベンチャーモードを一通り体験できます。育成や対戦の感覚をつかんだうえで、NFTのAxieを購入して本格的に進めるかどうかを判断する流れが、公式サポートページでも案内されています。
iPhoneでの配信状況は地域によって差がある
Origin版のiOS(App Store)配信は、当初アルゼンチンやインドネシア、マレーシア、ベトナムなど中南米・アジアの一部国と地域から始まったと報じられました。日本を含む現在の配信状況は変更されている可能性があるため、始める前に自分の端末のApp StoreまたはGoogle Playで実際に検索し、配信中かどうかを確認してください。配信国外の場合はTestFlightへの申請が案内されているケースもあります。
- 使う端末のApp StoreまたはGoogle Playで「Axie Infinity Origins」を検索し配信中か確認する
- ウォレットアプリは公式サイトのリンクからインストールしシードフレーズを控える
- NFTのAxieを購入する場合は国内取引所で暗号資産を購入し送金経路を確認する
「スマホ対応」と紹介されていても、配信国によって入手できるかどうかが変わります。ダウンロードできるかは必ず自分の端末で確認してください。
「稼げない」と言われる理由と現在の相場
Axie Infinityは「稼げない」と紹介されることが増えています。この記事では稼げるかどうかを断定しませんが、判断材料としてトークン価格の推移という客観的な事実を示します。結論から言うと、AXS・SLPともに2021年後半のピーク時と比べて大幅に下落した状態が続いており、当時と同じ水準の収益を前提に始めるのは現実的ではありません。
AXS・SLPともにピーク時から大きく下落
複数の解説記事によると、AXS・SLPはいずれも2021年11月頃のピーク時から大きく値下がりした状態が続いていると伝えられています。SLPは2021年11月に30円を超える水準だったのが、2026年には数円程度まで下がったと紹介する記事もあります。価格は常に変動するため、始める前に取引所のチャートで最新の水準を必ず自分で確認してください。
「稼げた」という紹介がいつの情報か確認する
紹介記事の中には、2021年のピーク時や、一部の上位プレイヤーの実績だけを取り上げているものもあります。同じゲームでも、始めた時期やトークン価格によって結果は大きく変わります。「1日いくら稼げる」といった断定的な表現を見かけたら、その数字がいつ時点のものかを確認する習慣をつけてください。
| 通貨 | 役割 | 価格の傾向(複数メディアの紹介による) |
|---|---|---|
| AXS | ガバナンストークン | ピーク時から大幅下落。2026年1月のbAXS発表時に短期的な値動きも報告 |
| SLP | ゲーム内通貨 | ピーク時から大幅下落が続いていると複数メディアが紹介 |
この記事は特定の時点の収益実績やトークンの将来価格を保証するものではありません。価格は日々変動するため、始める判断は最新の相場を自分で確認したうえで行ってください。
Ronin Networkハッキング事件から学ぶ教訓
Axie Infinityを語るうえで欠かせないのが、基盤となるRoninネットワークで起きたハッキング事件です。2022年3月23日に不正アクセスが行われ、発覚まで6日を要しました。約17万3600ETHと2550万USDC、あわせて約6億2500万ドル相当が盗まれ、当時としては過去最大級のDeFi(分散型金融)ハッキングとなりました。
原因はソーシャルエンジニアリングと消し忘れ
CoinDeskなどの報道によると、攻撃者はソーシャルエンジニアリング(人を騙す手口)によってSky Mavisが管理する4つのバリデーター(承認ノード)を掌握し、さらに過去にSky Mavisへ承認権限を貸与していたAxie DAOのバリデーターも悪用しました。この権限は2021年11月に失効していたはずでしたが、ホワイトリストの設定から削除されておらず、攻撃者に5つ目の署名鍵を与える結果になったと説明されています。
個人でできるウォレット対策
運営側のインフラで起きた事件ですが、個人アカウントを狙うフィッシングは今も起きています。公式サイトに酷似した偽サイトへ誘導し、シードフレーズや秘密鍵を入力させて資産を抜き取る手口が複数の解説記事で指摘されています。ウォレットアプリは必ず公式サイトのリンクからインストールし、シードフレーズは画面の外に控えて誰にも見せないようにしてください。
- ウォレットの拡張機能は公式サイトのリンクからのみ追加する
- シードフレーズをスクリーンショットやメモアプリで保存しない
運営基盤のセキュリティ事件と、個人が狙われるフィッシング詐欺は別物です。どちらも仕組みを知っておくだけで、被害を避けやすくなります。
| 発生日 | 発覚日 | 被害額 | 原因 |
|---|---|---|---|
| 2022年3月23日 | 2022年3月29日 | 約17万3600ETH+2550万USDC(当時約6億2500万ドル相当) | ソーシャルエンジニアリングと権限設定の消し忘れ |
日本でプレイする場合の法律と税金の考え方
日本国内からAxie InfinityのようなNFTゲームを遊ぶこと自体を禁止する法律はありません。ただし、獲得したトークンやNFTを売買して利益が出た場合は、税金の申告が必要になる場合があります。ここでは国税庁の一次情報に基づく一般的な考え方を紹介しますが、個別の課税判断は税務署や税理士に確認してください。
NFT・FTの所得区分の考え方
国税庁タックスアンサーNo.1525-2によると、暗号資産など財産的価値のある資産と交換できるNFTやFT(代替性トークン)を用いた取引は所得税の課税対象になり、譲渡所得などいずれかの所得区分に分類されるとされています。一方、財産的価値のある資産と交換できないNFTやFTの取引は、所得税の課税対象にならないとされています。AXSやSLPは暗号資産交換業者で売買できるため、これらを取得・売却した場合は課税関係の確認が必要です。
取得と売却の記録を残しておく
NFTゲームで得たAXSやSLPを売却・交換した時点の評価額は、所得の計算に関わります。いつ、いくらで取得し、いつ、いくらで手放したかを記録しておくことが、後から申告の要否を判断する際の手がかりになります。取引所の履歴やウォレットの記録は、こまめに保存しておくことをおすすめします。
| 状態 | 課税の考え方 |
|---|---|
| 財産的価値のある資産と交換できるNFT・FTを取得・売却 | 所得税の課税対象になり所得区分の判断が必要 |
| 財産的価値を有する資産と交換できないNFT・FT | 所得税の課税対象にならない |
国税庁タックスアンサーNo.1525-2は2026年9月時点で内容を確認しています。税制は改正される可能性があるため、確定申告の時期が近づいたら最新の内容をあらためて確認してください。
始める前のチェックリストと詐欺への注意
ここまでの内容を踏まえ、Axie Infinityを始める前に確認しておきたい項目をチェックリストにまとめます。運営状況・配信状況・価格・セキュリティをそれぞれ個別に調べるのは手間がかかるため、まとめて確認できるようにしました。あわせて、このジャンルで特に狙われやすい詐欺の手口にも触れます。難しい知識は不要で、1つずつ順番に確認するだけで済む内容です。
始める前のチェックリスト
候補が固まったら、始める前に次の項目を公式情報で確認してください。1つでも確認できない項目があれば、無理に急いで始める必要はありません。
- 使う端末のApp StoreまたはGoogle Playで配信中か確認する
- 公式サポートページでウォレットの移行状況(Ronin Stashへの切り替え)を確認する
- AXS・SLPの現在の価格を取引所のチャートで確認する
- 国内取引所で獲得した通貨を日本円に交換できる経路を確認する
- ウォレットアプリは公式サイトのリンクからのみインストールする
秘密のフレーズを狙う詐欺に注意する
NFTゲーム関連の詐欺では、公式サイトに酷似した偽サイトへ誘導し、シードフレーズ(ウォレットを復元するための単語列)や秘密鍵を入力させて資産を抜き取る手口が繰り返し指摘されています。極端に高い利回りをうたう案内や、公式を名乗るアカウントからの個別の連絡にも注意してください。秘密のフレーズと秘密鍵は、運営を名乗る相手であっても誰にも教えないでください。
- 秘密のフレーズと秘密鍵は誰にも(運営を名乗る相手にも)教えない
- 公式サイトはブックマークから開き、検索結果や広告のリンクは踏まない
- 極端に高い利回りや「絶対に稼げる」という案内には近づかない
秘密のフレーズやウォレットの秘密鍵は、公式の運営やサポートを名乗る相手であっても絶対に教えないでください。正規の運営がこれらを尋ねることはありません。
チェックリストのどれか1つでも公式情報で確認できないなら、始める時期を急ぐ必要はありません。確認が取れてから始めても遅くはありません。
よくある質問
Axie Infinityは今から始めても遅くないですか
始める時期に絶対的な正解はありません。ただし2021年当時のような高い収益を前提にするのは現実的ではなく、AXS・SLPともに当時の価格から大きく下落した状態が続いています。無料のOrigin版でゲーム自体を試してから、NFTの購入や本格的な運用に進むかどうかを判断する進め方をおすすめします。焦って高額なAxieを購入する必要はありません。
iPhoneでもAxie Infinityは遊べますか
Origin版のiOS配信は、当初は中南米やアジアの一部国・地域に限定されていたと報じられました。現在の配信状況は変わっている可能性があるため、自分の端末のApp Storeで実際に「Axie Infinity Origins」を検索し、配信中かどうかを確認してください。配信国外の場合はTestFlightへの申請が案内されているケースもあります。
以前のアカウントで放置していた資産はどうなりますか
2026年9月16日に、ウォレット基盤がRonin WaypointからRonin Stashへ切り替わりました。以前のアカウントを持っている場合は、資産が正しく移行されているか、公式サポートページで個別に確認することをおすすめします。移行の要否や対応方法は保有していた資産の種類によって異なります。
獲得したAXSやSLPは必ず確定申告が必要ですか
必ずしも一律に必要というわけではありません。国税庁タックスアンサーNo.1525-2によると、財産的価値のある資産と交換できないNFT・FTの取引は所得税の課税対象になりません。一方、AXSやSLPのように暗号資産交換業者で売買できるものを取得・売却した場合は所得区分の判断が必要になります。個別の判断は税務署や税理士に確認してください。
まとめ
Axie Infinityは、モンスター(Axie)を育てて戦わせるPlay to Earn型のNFTゲームとして2021年に大きな注目を集めましたが、2026年9月時点では当時と同じ仕組みではありません。1月に導入されたbAXSによる報酬設計の変更、9月16日に期限を迎えたRonin Stashへのウォレット移行、そして2022年3月に起きたRoninネットワークのハッキング事件という3つの事実を踏まえたうえで判断する必要があります。
AXS・SLPの価格が大きく下落した現状を自分で確認してから始めるかどうかを判断してください。ほかの記事は日本で遊べるNFTゲームの記事やNFTゲームのランキングの見方、NFTゲームの記事一覧でも取り上げています。