暗号資産の税金改正はいつ?分離課税20.315%の開始時期を時系列で解説
「暗号資産 税金 改正 いつ」で検索する人の多くは、分離課税がいつから始まるのか、今年の申告はどう扱われるのかを知りたいはずです。結論から言うと、暗号資産を20.315パーセントの申告分離課税にする法律はすでに成立していますが、実際の適用開始はまだ先です。2026年分の申告は、引き続き雑所得として総合課税の対象になります。この記事では、改正が実現するまでの時系列と、今の時点で確認しておくべき制度を整理します。
国税庁タックスアンサーや金融庁の公表資料を確認しながら、暗号資産の税制改正の進み方を整理しています。個別の税務判断は税理士・税務署に確認してください。
暗号資産の税金改正がいつ実現するかの時系列整理
暗号資産の税制改正は、要望から法律の成立までは段階を踏んで進んでいますが、2026年9月時点では分離課税の適用はまだ始まっていません。金融庁の令和8年度税制改正要望から与党の税制改正大綱、関連法の成立まではおよそ1年半かかっています。実際に20.315パーセントの分離課税が始まるまでには、さらに1年以上の期間が見込まれています。
分離課税化までに成立した2本の法律
分離課税化の土台になっているのは2本の法律です。1本目は2026年3月31日に成立、公布された所得税法等の一部を改正する法律で、暗号資産の申告分離課税化の条項を含むと税理士法人山田&パートナーズなど複数の専門家が解説しています。2本目は2026年7月15日に成立、7月23日に公布された、暗号資産を金融商品取引法の規制対象に加える改正法です。
適用開始は2028年1月1日が有力視されている
PwC Japanの解説によると、金融商品取引法の改正部分は公布から1年以内の政令で定める日に施行される見通しです。分離課税の適用開始はその施行日が属する年の翌年1月1日とされているため、大和総研の分析では2028年1月1日が有力な時期として示されています。ただし政令はまだ確定していないため、前後する可能性があります。
| 時期 | できごと | 出典 |
|---|---|---|
| 2025年8月 | 金融庁が令和8年度税制改正要望で分離課税化を要望 | 金融庁 |
| 2025年12月19日 | 与党税制改正大綱に分離課税化の方針が明記 | 与党税制改正大綱 |
| 2026年3月31日 | 所得税法等の一部を改正する法律が成立、公布 | 税理士法人解説 |
| 2026年7月23日 | 暗号資産を金商法の規制対象に加える改正法が公布 | PwC Japan |
| 2027年内(見込み) | 金商法改正の施行(公布から1年以内の政令で決定) | 専門家の試算 |
| 2028年1月1日(有力視) | 分離課税(20.315パーセント)の適用開始 | 大和総研 |
2026年9月時点で、暗号資産の分離課税はまだ始まっていません。法律は成立していますが施行日を定める政令はまだ公表されていないため、2026年分・2027年分の申告は引き続き雑所得として扱ってください。
現行(2026年)の暗号資産の税金の仕組み
2026年9月時点で、暗号資産の売却や交換で得た利益は雑所得に区分され、給与所得などと合算する総合課税の対象になります。国税庁タックスアンサーNo.1524によると、暗号資産の取引で生じた所得は原則として雑所得に区分されるとされています。所得税は累進課税のため、所得が多いほど税率が上がる仕組みです。
所得税と住民税を合わせると最大約55パーセント
雑所得は所得税の税率が5パーセントから45パーセントの7段階に区分され、これに住民税の10パーセントが加わります。給与など他の所得と合算した金額が高いほど税率区分が上がるため、暗号資産の利益が大きいほど税負担も重くなります。所得税45パーセントと住民税10パーセントを単純に足すと、理論上は最大で約55パーセントに達する計算です。
雑所得は損益通算と繰越控除ができない
雑所得の性質として、暗号資産の取引で損失が出ても給与所得や事業所得と相殺する損益通算はできません。さらに、その年の損失を翌年以降に持ち越す繰越控除も、現行制度では認められていません。株式投資の分離課税と違い、含み損が出た年に税負担を軽くする手段が限られている点が、雑所得の分かりやすい弱点です。
- 給与所得などと合算する総合課税の対象
- 所得税は最大45パーセント、住民税と合わせ理論上最大約55パーセント
- 他の所得区分との損益通算ができない
- その年の損失を翌年以降へ繰り越せない
税率の高さだけを見ると身構えてしまいますが、実際の税率は所得全体の金額によって変わります。自分の税率区分は国税庁の速算表で確認できます。
暗号資産の税金がいつ発生するかの課税タイミング
暗号資産の税金は、日本円に換金した時だけでなく、暗号資産同士を交換した時や、買い物の決済に使った時にも発生します。含み益の状態、つまり保有しているだけで売却していない間は課税対象になりません。「いつ課税されるか」を取引の種類ごとに知っておくと、申告漏れを防げます。特にNFTゲームでは、報酬の受け取りと売却の2回にわたって時価を確認する場面があるため、記録の付け忘れに注意してください。
換金だけでなく交換・決済でも課税される
国税庁の解説によると、保有する暗号資産を日本円に換金した時のほか、別の暗号資産と交換した時、商品やサービスの購入に使った時も、その時点の時価と取得時の価額との差額が所得として計算されます。日本円に戻していないから申告不要と考えるのは誤りで、交換や決済も課税のタイミングに含まれます。
NFTの取得や売却でも同様の考え方が使われる
NFTゲームでトークンを対価として受け取った場合や、保有するNFTを売却した場合も、受け取った時点や売却した時点の時価をもとに所得を計算する考え方が基本になります。プレイして得た報酬だから課税されないという扱いにはならないため、受け取った日と時価を記録しておく必要があります。
- 暗号資産を日本円に換金した時
- 暗号資産同士を交換した時
- 買い物や決済に暗号資産を使った時
- NFTゲームの報酬としてトークンを受け取った時
- 保有するNFTを売却した時
暗号資産の税金の計算方法と具体例
暗号資産の所得は、売却などで得た金額から取得価額と手数料を差し引いて計算します。取得価額の出し方には総平均法と移動平均法の2種類があり、どちらを選ぶかで年ごとの所得額が変わることがあります。ここでは基本的な計算の考え方と、簡単な数値例を示します。複数の取引所やウォレットを使っている場合は、すべての取引履歴を1つにまとめてから計算することが前提になります。
総平均法と移動平均法の違い
総平均法は、1年間に取得した暗号資産の合計金額を合計数量で割って平均単価を出す方法です。移動平均法は、取得のたびに保有数量と平均単価を計算し直す方法です。国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について」によると、届出をしない場合は総平均法が適用され、届出をする場合は取得した年の翌年3月15日までに税務署へ提出する必要があります。
計算例で流れを確認する
例えば1回目に10万円で1コイン、2回目に14万円で1コインを取得し、合計2コインを18万円で売却したとします。総平均法では平均取得単価が12万円になるため、取得価額は24万円、売却額18万円との差額はマイナス6万円の損失です。実際の取引では手数料も差し引くため、取引履歴を保存しておくことが計算の前提になります。
| 項目 | 金額・内容 |
|---|---|
| 1回目の取得 | 10万円で1コインを取得 |
| 2回目の取得 | 14万円で1コインを取得 |
| 総平均法での平均取得単価 | 12万円(24万円を2コインで割った額) |
| 売却 | 2コインをまとめて18万円で売却 |
| 所得(この例では損失) | マイナス6万円 |
暗号資産の税金の申告がいつから・いくらから必要か
会社員の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります。暗号資産の雑所得もこの20万円に含まれるため、副業や投資と合算して判断する必要があります。20万円以下でも、住民税の申告は別に必要になる点を見落としやすいので注意してください。含み益の段階では申告の判断に含めなくてよく、実際に換金・交換・決済をした年の所得として数えます。
20万円ルールの対象と落とし穴
20万円ルールは、給与を1か所から受けていて年末調整が済んでいる会社員が対象の所得税の特例です。暗号資産の利益だけでなく、副業の原稿料や他の雑所得も合算して20万円を超えるかどうかを判断します。医療費控除や住宅ローン控除を初めて受ける年は、この特例に関係なく確定申告そのものが必要になります。
住民税の申告は所得税と別枠で必要
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告義務は別に定められています。給与以外の所得が20万円以下で所得税の申告を省略した場合でも、住民税の申告は原則としてお住まいの市区町村へ提出する必要があります。この違いを知らずに住民税の申告だけを忘れてしまうケースが目立ちます。
- 暗号資産の利益と他の副業所得を合わせて20万円を超える
- 医療費控除や住宅ローン控除(初年度)を受ける
- 給与を2か所以上から受けている
- 個人事業主やフリーランスとして事業所得がある
| 立場 | 所得税の申告要否の目安 |
|---|---|
| 会社員(1か所給与、年末調整済み) | 給与以外の所得が20万円超で申告が必要 |
| 会社員で医療費控除等を受ける | 20万円以下でも申告が必要 |
| 専業主婦・学生等(給与所得なし) | 基礎控除等を超える所得があれば申告が必要 |
| 個人事業主・フリーランス | 事業所得と合算して申告 |
20万円以下だから安心、とは限りません。住民税の申告は所得税と別のルールなので、利益が出た年は金額の大小にかかわらず市区町村へ確認しておくと安心です。
分離課税になった場合の変更点
分離課税が実際に始まると、対象になる取引の税率は一律20.315パーセントになり、損失の繰越控除も新設される見込みです。ただし対象は「特定暗号資産」に限られる方向で調整されており、すべての暗号資産取引が対象になるわけではありません。制度の細部は今後の政省令で確定する見通しです。どこまでが対象に含まれるかは、この記事のジャンルであるNFTゲーム関連の取引にとっても重要な論点になります。
対象は国内登録業者の主要な取引に限られる見込み
複数の専門家解説によると、分離課税の対象になる「特定暗号資産」は、金融商品取引業者登録簿に登録された国内の業者が扱う暗号資産の現物取引、デリバティブ取引、暗号資産ETFの3類型が想定されています。海外の取引所や、管理者を介さないDEX(分散型取引所)での取引、個人間の直接取引は、対象外になる可能性が高いとされています。
損失の3年繰越控除が新設される見込み
現行の雑所得では認められていない損失の繰越控除も、分離課税の対象になれば翌年以降3年間、特定暗号資産の所得から差し引けるようになる見込みです。ただし制度が変わる前、つまり総合課税の時代に生じた損失を新制度に持ち越せるかどうかは、今回の調査時点でははっきりしていません。
| 分類 | 具体例 | 税制の扱い |
|---|---|---|
| 特定暗号資産(対象見込み) | 国内登録業者の主要な暗号資産の現物・デリバティブ・ETF | 分離課税20.315パーセント(施行後) |
| 対象外の見込み | 海外取引所の口座、DEXでのスワップ、個人間取引 | 引き続き雑所得・総合課税 |
| 未確定 | NFTゲームの報酬トークン、NFTそのもの | 政省令待ち、雑所得の可能性が高い |
特定暗号資産の具体的な指定銘柄や細かい要件は、今後の政省令や告示で確定する見通しです。この記事の内容は2026年9月時点で確認できた情報にもとづいており、確定情報ではない点に注意してください。
NFTゲームのトークン報酬と分離課税の対象範囲
UFO Gamersの読者に関わりが深いのは、NFTゲームのプレイ報酬やNFTの売却益が分離課税の対象になるかどうかです。現時点で見えている制度設計を前提にすると、NFTゲーム関連の多くの取引は分離課税の対象外に残り、引き続き雑所得として扱われる可能性が高いと考えられます。分離課税の税率だけを見て有利だと判断するのは早く、自分がどちらの区分に入るのかを先に確認する必要があります。
国内登録業者を介さない取引は対象外になりやすい
分離課税の対象は国内の金融商品取引業者登録簿に登録された業者を通じた取引が中心になる見込みです。NFTゲームのプレイ報酬として直接ウォレットに付与されるトークンや、海外のマーケットプレイス、DEXで行うNFT・トークンの売買は、この登録業者を介さない取引にあたるため、対象外になりやすいと考えられます。
判断に迷う場合は個別に確認する
特定暗号資産の指定範囲は今後の政省令で確定するため、現時点でNFTゲーム関連の取引がすべて対象外と断定することはできません。利用しているゲームやマーケットプレイスがどの経路で取引を仲介しているかによって扱いが変わる可能性があるため、金額が大きくなってきた場合は税理士に個別の判断を確認することをおすすめします。
- ゲーム内報酬として直接ウォレットに付与されるトークン
- 海外のマーケットプレイスで行うNFTの売買
- DEXでのトークン同士のスワップ
- プレイヤー同士の個人間取引
NFTゲームで得たトークンが分離課税の対象になるかは、まだ確定していない論点です。制度が固まるまでは、これまでどおり雑所得として記録を残しておくと安心です。
暗号資産の税金の納付時期と資金が足りないときの対処
暗号資産の雑所得を含む所得税は、原則として翌年の確定申告期間中(2月16日から3月15日ごろ)に申告し、同じ期限までに納付します。住民税は、申告内容にもとづいて市区町村が税額を計算し、6月ごろから通知される納付書や給与天引きで納めます。納付方法は振替納税、クレジットカード、コンビニ納付など複数の選択肢から選べます。
確定申告と納付の期限
所得税の確定申告と納税の期限は、原則として翌年3月15日です(土日祝日にあたる場合は翌平日)。期限を過ぎると延滞税や無申告加算税が別途かかる場合があります。暗号資産の損益は複数の取引所やウォレットにまたがることが多いため、年明けから取引履歴を集め始めると期限に間に合いやすくなります。
納税資金が足りないときの対処法
含み益の状態で計算上は所得が出ていても、実際に日本円へ換金していなければ手元に納税資金が無いという状況が起こり得ます。この場合は、税務署へ相談すれば延納や換価の猶予といった制度を利用できる場合があります。無申告のまま放置すると加算税が重くなるため、資金が足りない場合ほど早めに税務署へ相談してください。
- すべての取引所・ウォレットの年間取引履歴を集める
- 総平均法または移動平均法で所得を計算する
- 20万円ルールと住民税申告の要否を確認する
- 納税資金を早めに日本円で確保しておく
よくある質問
暗号資産の税金はもう20パーセントになっていますか
2026年9月時点では、まだ20.315パーセントの分離課税は始まっていません。分離課税化を含む法律は成立していますが、施行日を定める政令が公表されていないため、2026年分の所得は引き続き雑所得として総合課税で申告する必要があります。分離課税の適用開始は、専門家の試算では2028年1月1日ごろが有力とされていますが、確定した情報ではありません。
暗号資産の税金はいつから確定申告すればよいですか
会社員の場合、暗号資産の利益を含む給与以外の所得が年間20万円を超えたら、翌年の確定申告期間(原則2月16日から3月15日ごろ)に申告します。20万円以下でも住民税の申告は別途必要になる場合があるため、利益が出た年は金額にかかわらず市区町村への申告要否を確認しておくと安心です。
暗号資産の税金はいくらから発生しますか
含み益の段階では課税されません。暗号資産を日本円に換金した時、別の暗号資産と交換した時、決済に使った時に、その時点の時価と取得時の価額との差額が所得として計算されます。1年間の暗号資産に関わる雑所得と他の雑所得の合計が20万円を超えると、会社員でも確定申告が必要になります。
NFTゲームで得たトークンも税金の対象になりますか
NFTゲームのプレイ報酬として受け取ったトークンや、保有するNFTの売却益も、現時点では雑所得として課税対象になる考え方が基本です。将来の分離課税化でも、国内登録業者を介さない取引は対象外に残る可能性が高いため、引き続き総合課税で扱われる想定で記録を残しておくことをおすすめします。
まとめ
暗号資産の税制改正は、金融庁の要望から与党の税制改正大綱、関連法の成立という段階を経て、2026年9月時点ではすでに法律として成立しています。ただし分離課税の適用開始はまだ先で、専門家の試算では2028年1月1日ごろが有力視されている段階です。2026年分・2027年分の申告は引き続き雑所得として総合課税で扱い、20万円ルールと住民税申告の要否を確認してください。
NFTゲームのトークン報酬やNFTの売却益は、分離課税の対象外に残る可能性が高い点もあわせて押さえておくと安心です。ほかの記事は日本でNFTゲームを始める前に確認したい記事やスマホで稼ぐNFTゲームの記事、NFTゲームの記事一覧でも取り上げています。